仮称・阪本鷲巣線の敷設・その1

熊野簡易軌道・(仮称)阪本鷲巣(さかもと わしのす)線の敷設のことを書こうと思います。何も堅苦しく「仮称」などとゆう言葉を使わなくてもいいのですが、いちおう開通前は「仮称」としています。私が耕作する農地のうち、メインは熊野市内にありますがそれとは別に隣の御浜町内に果樹園があります。メインの農地もこちらの果樹の方も元々は棚田で・・・それぞれ昔は田圃でした。前者はいつしか耕作を放棄されて荒れました・・・後者の果樹農地も田圃だったわけですが、荒れる前にミカンを・・・その後は梅に切り替えられて幸いにも荒れることなく近年まで耕作されてきました。ところが国産農産物の価格暴落や後継者不足によって残念乍ら、この農地も数年前から荒れることになりました。「そんなところなんだけど作ってみないか?」と近所でお世話になっている方から私にお話がありまして、多少オーバーワークにはなるもののせっかくのご縁を大事にしたいとゆう思いもありまして昨年から耕作を開始しました。元が田圃ですから地面は平らで作業は行い易いのですが、細長い棚田故に運搬に大変な思いをしました。普通の一般的な考えであればエンジン式の運搬車を導入したりすることを考えるのでしょうが、鉄道農業を実践(?)する者の思いとして、ここに鉄道を敷設することで地主さんの許可を戴きました。


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▲ 今回の敷設予定地。【特記以外全て22・01・23】


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▲ 上の画像から180度振り返った景色。


鉄道と言いましても多くの一般的な鉄道に使われる軌間3フィート6インチ(1067mm)ではなく、熊野簡易軌道・柚ノ木谷線の軌間24インチ(610mm)よりも更に小さな15インチ(381mm)軌間の・・・それはまるで模型のような、それでも実用として使える大きさの鉄道です。主に運搬を目的にはしていますが、現実には収穫時の約1ヶ月間と肥料運びなどにしか使わないため過剰な設備ではあるのですが、それはそれで楽しみ乍ら仕事をしたいことと、単に運搬とゆう目的以外の用途の可能性などを探ってゆくために鉄道とゆう手段を選びました。又、まだまだマイナーな分野の「15インチ軌道」にもっと光を当てたいこと、産業軌道とゆう分野自体はそれなりに確立しているものの「農業軌道」となりますとまだまだのところがありますから「敷設するとこんな可能性もある」そんなことを伝えてゆけたら?と思っています。「15インチ軌道は面白い・楽しい・実用できるぞ」と言葉で説明するよりも自らが実践することによってそれを伝えてゆきたいと思っています。また鉄道の敷設の場合には初期投資が大きくなりますが幸いにも熊野簡易軌道・平谷北線の廃止撤去で余剰になっている6kg/mレールがありますからそのレールをこちらへ転用することにします。ちなみに延長工事中の柚ノ木谷線は9kg/m又は10kg/mレールのためそちらへ転用は出来ません。資金的な問題などでひとまず22m+α 程度の延長になりますが、車体の軽いことを生かして木製レールの併用なども含めて、ゆくゆくは0.5km程度の延長にしたいとゆう構想を持っています・・・実現の可否については、やはり私の場合は農業が主ですからその収入次第とゆうことになりますし、農業を疎かにしてまで鉄道を・・・とゆう思いもありません。 


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▲ 画面右の起点から終点まで杭を立てタコ糸で結んでみた。


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▲ 画面手前の終点から起点方向を望む。勾配は一切無いが曲線が多く、僅か20m余りだが全線を見通せない。


エンジン式の運搬車を導入すれば難なく運搬とゆう目的は達成できるはずです。もちろんその農地専用にする必要もありませんで様々なシーンで活躍してくれるはずです。しかし運搬車は運搬とゆう目的は達成できても・・・それで話は終わります。いや目的が達成できたのならそれはそれで充分なのですが、あえてもう一歩先の何かを求めた時に運搬車にはそれがありません。「もう一歩先」具体的にどんなことがあるでしょうか?例えば「自分で自家用鉄道を敷設するなんて絶対無理」と私も誰かに言われましたが、敷設する土地さえあれば無理なんてことはありませんし、実際に私が実践していますから「じゃあ初めてみようか?」と誰かのきっかけになったり、まだまだマイナーな分野かも知れませんが実はこんな私なんかよりも前に15インチ軌道の世界を楽しんでいる方々がいらっしゃいます。ところが住宅事情などで思うように線路を敷設出来なかったりするようですが、線路をこちらが提供することによって車輌の乗り入れをしてもらったり・・・そんなことも実現出来るかも知れません。またこの辺りもそうですが一般の鉄道とは無縁の地域の子供たちや大人にも鉄道の楽しさ・面白さ・・・それらを通して、こんな農業もある・こんな生活スタイルもある・・・などそんなことも伝えていきたいと思っています。それらの可能性は無限に広がり・・・また新たな可能性を次々に生み出してくれるかも知れません。


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▲ とりあえずの終点から、いつかこの先へ。


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▲ 柚ノ木谷線・白熊乗降場に置いてあったレールを平谷中野駅まで機動運搬車で運搬してトラックに積み替え。


私は図面を書く前に何かを作り始めてしまいますし、考え計画を立てる前に実行してしまうことが多くあります。今回のこの軌道のこともそんなことがありますが、かつて少年時代から最近に至るまで図面は数百枚以上は書いてきました・・・もちろん全て手書きですが、手書きっていつまでもだいたい覚えているんですよ。それが手書きの良さであって、例えば何かを・・・車輌を作ろうとする時に今さら図面を書かなくても昔に書いた図面が頭のどこかに入っていますから、それを思い出し乍ら今の思いを少し付け加えたりして・・・そんな作り方ですから図面をあえて引く必要はありません。計画と言いましても旅客を運んだり軌道の収支を合わせる必要もありませんから資金的・時間的な問題が解決できれば計画らしい計画なんて必要ありません。逆に最初に0.5kmの鉄道を敷設するとしてそれに掛かる材料代と、その農地で得る収入などを照らし合わせていたら・・・一生机に向かって考えているだけで終わりそうな気がします、私はね。ただ私は口で言っているだけで何事も終わらせたくはありませんから、計画を立て考える前にまず行動・・・そんな感じですから今後どうなってゆくかはわかりませんが、とりあえず「運搬+α 」とゆうことで、私の中で条件が整いましたからいよいよ着工です。


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▲ フラッシュをたいたので余計に周りが暗くなったが、敷設予定地にレールと枕木を運んだ・・・これで敷設の3分の1の作業は終わったようなもの(?)。


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▲ 車輌はこの手前のトロッコ・・・名前は15インチ軌間にちなんで・・・いちごちゃん☆【22・01・21】


☆ 次回の更新は・・・近いうちの予定です。


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井中人

共同運行したいと思います。
コードシェア便で行きましょう。
(井中軽便鉄道技師長)
by 井中人 (2010-01-24 06:56) 

くまかん

井中さん、ありがとうございます。
ぜひ、共同運行しましょう☆
大歓迎です。

by くまかん (2010-01-24 08:26) 

1001

くまかんの2013年の公開日教えてください。
2013年に、もうないのであれば2014年をおしえてください。そして、くまかん、がんばってください!
by 1001 (2013-10-31 16:19) 

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